基本情報
企業概要 | 企業名 | ソフトマックス(株) |
証券コード/市場 | 3671/マザーズ | |
特徴 | Web型電子カルテを主力とした医療情報システムを提供。主に中小規模病院を拡販 | |
ホームページ | https://www.s-max.co.jp/ja/Top.html | |
決算期 | 12月末日 | |
時価総額 | 4,756百万円 | |
株価 | 798 | |
PER(株価収益率) | (単)16.74 | |
ROA(総資産経常利益率) | 8.30% |
※2020年4月13日株価ベース
トンボの目
トンボの好きな「医療 + IT」銘柄となります。
現在、超高齢化社会、医療費の増大に伴い、国策として都道府県の医療構想の実現、医療機関の経営改善が求められています。
その手段の一つして「データ利活用」、「オンラインでの医療・多職種連携」などがあり、これらの普及が、社会全体で求められています。
これらの環境の中、同社はWeb型電子カルテシステムを中心に事業を行っており、特に、システムの導入率の低い中小規模病院、地域医療の中核を担う有力病院グループ、全国展開の公的あるいは民間病院グループをターゲットとしています。
現在、電子カルテの普及率は40%、今後普及する流れの中で、同社がどれだけのパイを取ることができるのか、重要になります。
一方、電子カルテは比較的事業参入しやすく、競合多数となり、留意は必要となります。
2019年3月期は、売上高4,332,749千円(前期比30.4%増)、営業利益405,864千円(前期比60.8%増)、経常利益429,275千円(前期比55.4%増)、当期純利益270,485千円(前期比54.4%増)となり、いずれも過去最高の業績を計上しています。
ここまで読むと、絶好調の会社に感じました。ただ、2019年3月期決算短信や決算資料を読んでも、なにか消化不良になります。
- 売上増加に伴うほどのキャッシュフローの伸びがなく、売掛金もかなり増えています。
- 貸借対照表に土地512百万、投資用不動産 773百万と本業と関係ないものが記載されています。
- 加えて、具体的な受注数、取り組みが記載されておりません。
不動産収入は、安定利益とも考えることは出来ます。
ただ、「電子カルテという、本来やるべきことに対して、投資をしていくべきでは?」というのが本音となってしまいます。
決算書の暗号を解く
2019年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
表紙 | 売上高、営業利益、経常利益の伸び率、バランス | 各項目ともに、バランス良く伸びがみられる |
当期純利益=経常利益×60% | 問題なし | |
ROA伸び率(総資産経常利益率) | 6.0%から8.3%に大きく伸び | |
営業CFの伸び率、バランス | 伸び率低下 | |
営業CFは、営業利益の60~120%程度か | 営業CFが少ない | |
投資CFは、営業CF範囲内かどうか | 範囲内、問題なし | |
来期業績予想数値の合理性 | 売上の伸び率が低い。医療効率化の流れの中では、合理的な説明が必要。 | |
会計処理方法の変更点 | なし | |
経営成績/財政状態 | 数値の具体性 | 契約数や導入数など、詳細記載なし。 |
新規事業のについて | なし | |
悪材料について | なし | |
貸借対照表 | 現金、預貯金、有価証券について(換金性) | 現金預金 2,830百万 |
売掛金、受取手形、棚卸資産(換金性要注意) | 売掛金1,071百万 | |
固定資産(土地以外は、価値を確認) | 有形固定資産合計707百万、土地が512百万大きな割合 | |
「現金、受取手形、売掛金及び有価証券」以外は将来の費用 | 将来の費用:27% | |
売掛金・受取手形・棚卸資産の伸び率(売上高の伸びと比較) | 売掛金の伸びが多い | |
棚卸資産の変化(投資対効果について) | 商品・仕掛品で175百万 | |
繰延税金資産について(税金として支払、費用化していない額) | 97百万 | |
固定資産の償却方法は、定額法、定率法なのか | 記載なし | |
のれん代の有無と償却期間(最大20年、ふつうは、3~5年) | なし | |
のれん代と連結調整勘定の合計が、自己資本より大きい場合は注意 | なし | |
貸倒引当金、前受金は少な過ぎないか | 少ない | |
社債・転換社債の有無(転換社債は要注意) | なし | |
借金の状態(支払手形・買掛金・短期借入金、社債、長期借入金) | 支払手形582百万、買掛金506百万、短期借入金300百万、1年内返済予定の長期借入金277百万、未払費用155百万 | |
利益余剰金は、資本金と資本余剰金と比べ、小さすぎないか | 小さくはない | |
評価差額金の割合 | なし | |
新株予約権が多く発行されていないか、純資産での割合を確認 | なし | |
少数株主持分が過大ではないか、有無の確認 | なし | |
総資産の伸び(急な伸びは、事業拡大もしくはM&A) | 事業拡大も、総資産の伸び以上に利益は伸びていない。 | |
損益計算書 | 営業利益、伸び率は重要 | 伸びはあり |
特別利益、特別損失の項目は、多くなるべき項目ではない | 投資有価証券評価損16百万 | |
キャッシュフロー | 税引前当期純利益+減価償却費-法人税≒営業CF | ほぼ同等 |
投資CFの内容確認 | 本業への投資は無し | |
財務CFは、マイナスが望ましい | プラス、主に短期借入金 |
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まとめ
トンボ
営業キャッシュフローも違和感あるし、本業の頑張りが感じられなかったので見送ります。