基本情報
企業概要 | 企業名 | ㈱ティーケーピー |
証券コード/市場 | 3479/マザーズ | |
特徴 | 空間再生流通企業。貸し会議室・不動産土地活用で成長。大塚家具と提携あり | |
ホームページ | https://www.tkp.jp/ | |
決算期 | 2月末日 | |
時価総額 | 76,413百万円 | |
株価 | 2,006 | |
PER(株価収益率) | N/A | |
ROA(総資産経常利益率) | 8.30% |
2020/05/01 終値ベース
トンボの目
同社の「TKP」の看板、ここ数年で見かけるようになりました。
お客さんのビルにもあったりして、セミナーとか、会社説明会とかで利用されていて、繁盛していたと記憶しています。
同社は、ホテル・宿泊研修、料飲・バンケット、イベントプロデュースと手広く事業を行っています。
単なるスペースのサブリースだけではなく、サービスを加えることで、価値を高めることが強みとなっています。
年間利用企業数も公表されていて約33,700社、広く利用されていることがわかります。
さらにリピート率は約85%と高水準で推移しています。
2019年度には、レンタルオフィス業界国内最大手の日本リージャス社を完全子会社化しました。
この子会社化で、オフィススペースの時間貸しから短中期のレンタルまで、すべてカバーすることができるようになりました。
業界ナンバーワンになるという強い意志表示に感じます。
結果、業績は過去最高で、売上高54,343百万円(前期比53.0%増加)、営業利益6,325百万円(同47.5%増加)、4,761百万円(同17.5%増加)となりました。
ここまで読むと、いい会社と思いました。
ただ、良い話だけではありません。この子会社化でのれん代を資産計上していますが、自己資本を超えるレベルです。
償却期間は、20年となっています。
ちなみに年間償却費(のれんと顧客関連資産等)、当初11年間は年間2,396百万円、その後9年間は年間約1,905百万円となると公表されています。
同時に、長期借入金も多く抱えていますので、今後おおきな足かせとなりそうです。
最後に、来期の事業予測も、新型コロナの影響で予測もできていません。
経済の停滞、テレワークが加速する中、同社の立ち位置は更に厳しいものとなると思います。
2019年度の日本リージャス社子会社化してなければ、のれん代も異常値ではなく、買う買わないまずは検討します。
ただ、さすがにこの状況では検討に値もしません。
決算書の暗号を解く
2020年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
表紙 | 売上高、営業利益、経常利益の伸び率、バランス | 売上の伸びほど、営業利益、経常利益の伸びがない。バランスが悪い |
当期純利益=経常利益×60% | 当期純利益が少ない | |
ROA伸び率(総資産経常利益率) | 9.5%から5.7%に低下 | |
営業CFの伸び率、バランス | 伸びはあり | |
営業CFは、営業利益の60~120%程度か | 営業CFが少ない | |
投資CFは、営業CF範囲内かどうか | 範囲外。投資が多すぎる | |
来期業績予想数値の合理性 | 新型コロナウィルスで算出できず未定 | |
会計処理方法の変更点 | なし | |
経営成績/財政状態 | 数値の具体性 | あり |
新規事業のについて | なし | |
悪材料について | 新型コロナウィルスで中期経営計画見直し | |
貸借対照表 | 現金、預貯金、有価証券について(換金性) | 現金預金9,131 百万 |
売掛金、受取手形、棚卸資産(換金性要注意) | 売掛金4,114百万 | |
有形固定資産合計、土地 | 固定資産合計39,049 百万、土地10,932百万 | |
有形固定資産における土地の割合 | 27.9% | |
売掛金・受取手形・棚卸資産の伸び率(売上高の伸びと比較) | 売掛金の伸びが少ない | |
棚卸資産の変化(投資対効果について) | なし | |
繰延税金資産について(税金として支払、費用化していない額) | 1,835百万 | |
固定資産の償却方法は、定額法、定率法なのか | 記載なし | |
のれん代の有無と償却期間(最大20年、ふつうは、3~5年) | 20年間にわたる均等償却 | |
のれん代が、自己資本より大きい場合は注意 | 自己資本35,802百万、のれん代39,671百万で、のれん代が大きい | |
貸倒引当金、前受金は少な過ぎないか | 少ない | |
社債・転換社債の有無(転換社債は要注意) | なし | |
借金の状態(支払手形・買掛金・短期借入金、社債、長期借入金) | 流動負債20,221百万、長期借入金51,863百万と前期から大幅に膨らんでいる | |
利益余剰金は、資本金と資本余剰金と比べ、小さすぎないか | 小さい | |
評価差額金の割合 | すくない | |
新株予約権が多く発行されていないか、純資産での割合を確認 | 小さい | |
少数株主持分が過大ではないか、有無の確認 | 少ない | |
総資産の伸び(急な伸びは、事業拡大もしくはM&A) | 事業拡大(M&A) | |
損益計算書 | 営業利益、伸び率は重要 | 伸びはあり |
特別利益、特別損失の項目は、多くなるべき項目ではない | 特別利益414百万、特別損失937百万 | |
キャッシュフロー | 税引前当期純利益+減価償却費-法人税≒営業CF | 営業キャッシュフローが少ない |
投資CFの内容確認 | 子会社化 | |
財務CFは、マイナスが望ましい | 長期借入でプラス |
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